投稿記事 生活/住まい

不動産という概念

投稿日:2020年4月30日 更新日:

不動産とは土地家屋を意味する言葉ですが、一般的な商品とは異なり、持ち運ぶことができません。ですから所有権は発生するものの、実質は専用使用権を意味します。この特殊な性質が、不動産関連の様々な制約を生んできました。

例えば納税関連の法律もその一つでしょう。不動産と同じく高価な物である絵画、宝石を所有しても税金は掛かりませんが、不動産は所有するだけで固定資産税が発生します。もちろん美術品等は特殊な状況で納税の対象となることがありますが、所有に対して掛けられることはありません。よくよく考えてみると、不動産にだけ税金が掛けられる理由を、我々はあまり理解していません。

所有に限らず賃貸の場合が多いというのも不動産の特性でしょう。高級賃貸と呼ばれる上質な物件であればなおさら費用がかかりますが、納得してそういった物件に住んでいる人も多くいます。

不動産の何が特殊だからこのような性質が発生するのでしょうか。その答えを皆さんと一緒に探っていきたいと思います。人類は太古の昔から所有欲を抱く動物でした。ですから持ち運べない土地や家等をどのように自分のものだと認めさせるのかは、大きな課題であり続けてきました。

つまり不動産の意味を知るためには、「所有」の歴史を辿ればよいのだと気付きます。「所有」の起源は今となっては定かではありませんが、原始時代からあったことは間違いありません。当時は食料、パートナーがその主な対象でしたが、当然ながら法的な保証はありませんでした。

ここで重要だと思われるのが、所有意識の淵源が競争相手の存在にあることです。周りに奪い取ろうとする者がいなければ、そもそも所有意識は生まれません。つまり供給が需要を大きく上回っていれば、所有欲は生まれないのです。

ここから推察するに、「土地の所有」という概念が生まれたのは、農耕の時代に入ってからのことでしょう。それまでの狩猟生活が農耕生活に変わってから人口は増加し、人々の土地に対する需要は急増したわけです。農耕の時代はそれまでと打って変わって食料事情が豊かになりました。土地の争奪がこの頃に始まったことは想像に難くありません。

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