不妊に限らず、大きな問題を夫婦で抱えると、次第にすれ違いが目立つようになります。その原因は様々ですが、1つは男女の性格的差異によるものです。例えば、妻が不妊治療の過程で苦しみを夫に伝えたとします。夫は医師の診断がどうであったのかを尋ねます。
すると妻は、「問題ないと言われた」と返答します。この時、夫は「医師が問題ないというのだから心配する必要は無いよ」と答えるかもしれません、しかし妻はこの返答に怒り狂うことがあります。夫は医学的に問題が無いと聞いて安心したからこそこのように返答したわけですが、妻にとっては非常に素っ気ない返答だからです。
妻が求めていた返答はねぎらいの言葉であり、医学的見解に対する感想などではありません。男女間でこれだけコミュニケーションに対する態度が異なるわけですから、夫婦に問題が生じない方がおかしいのです。男性は基本的に問題解決志向であり、女性は人間関係を重視する傾向にあります。どちらも重要な価値意識ですが、相手の価値観を尊重し、気を遣い合うことも大切です。
例えば先の例であれば、妻は夫に対し、不安だということを正直に吐露した方が良かったのです。逆に夫は「それは辛いだろうね」とねぎらいの言葉を掛けた上で、「自分に出来ることはあるか」と、さらに思いやってあげると最高の返答でした。夫婦は大変だと思われるかもしれませんが、その通り、大変なものなのです。
それを覚悟した上で関係を構築することが求められます。
特に不妊治療中の女性は不安定な状態になりやすいため、夫婦間のコミュニケーションにはコツが必要なようです。コツに関しては様々な所で述べられていますから、それらを参考にするのも良いでしょう。