現代人は顎が小さくなってきています。食物が柔らかくなったせいで、噛む力が弱くなり顎の骨も発達しなくなっているのです。骨に関しては歯より退化が進んでいるのに、歯はあごの骨と同じ速さで小さくなってはくれません。全部の歯がきちんと並びきれずはみ出してしまい、八重歯になってしまうというわけです。厚生省の歯科疾患実態調査によると、上顎前突(出っ歯)が1.55%、下顎前突(受け口)が4.16%、開咬(前歯がかみ合わない)1.24%、叢生(乱ぐい歯)6.5%、その他の不正咬合が3.22%となっています。そして、調査対象の約18%は矯正治療が必要であると判断されています。また、矯正専門家の調査によると、学校児童・生徒について何等かの異常が認められるものは約50%とかなり高率になっているのです。叢生というのが、所謂八重歯に当てはまるのですが、割合としてはこの中で一番多くなっています。かつては下顎前突(受け口)が多かったのですが、前述した叢生、中でも犬歯の八重歯を矯正するケースが多くなってきているのです。このような矯正のケースは今後も歯科用レセコンで良く見かけるでしょう。いずれにしても、歯並びに対する関心が増すにつれ、今後は「生まれつきだから我慢するしかない」と思い込んでいた八重歯や乱ぐい歯を、矯正治療する人はさらに増える傾向にあります。