方法や技法を、一般読者が理解できるように書くものを、実用書といいます。あるいは解説書とも呼ばれているもので、この領域は、自費出版に向いていると言えます。書く事柄はたくさんあります。どこの書店に行っても、広いコーナーを設けているでしょう。実用書の読者は大勢いて、ベストセラーも多数出ています。
著者は、書く対象それぞれの専門分野に、詳しくなくてはなりません。主に、仕事の内容や、趣味などが対象になります。どこまでいい本に仕上げられるかは、知識の深さに掛かっています。また、その情報の正確さが生命線となるでしょう。ある意味理論も必要ですが、難しくなく、わかり易いものが求められます。
著者の心の動きなどは、実用書には書きません。事実を、淡々と書くことが必要です。
紀行文はエッセーの一種でありますが、そこから著者の心情を抜き取り、空いた部分に、正確な情報が入れられれば、旅行者向けの実用書となるでしょう。そうすると、紀行文が旅行案内という実用書に替わることになります。
実用書にとって、最も大事なことは、著者の持っている知識や情報を、いかにわかり易く読者に伝えるかということです。そのためには、図表やイラスト、写真、統計なども使った方がよいといえます。簡単に情報を得られる方法を、読者は求めています。
また、ある専門分野に詳しい著者が、淡々と情報や知識を書くだけでは、物足りなくなるかもしれません。その場合は、コラムを書くという手があります。各章の終わりなど、本の区切りになる部分に、挿入するといいでしょう。コラムは、読者の息抜きにもなります。その専門分野への考えや、苦労話などの体験談を書くと、読者の興味を誘うことでしょう。